ヴァイオリン覚書♪7年1ヶ月~名古屋でヨメ(ヴァイオリン)取り物語2012年04月02日

というわけで、彼女(に匹敵するヴァイオリン)イナイ歴7年余のワタクシにも、とうとう春が来ました(笑)♪~♪ d(⌒o⌒)b♪~♪

…なーんて喩えは、なにも私が言い出したわけじゃなく、楽器、とくにヴァイオリンのようなアナログの楽器を購入することは、嫁取り結婚ポッ(*゚.゚)(゚.゚*)ポッに近い、などとしばしば語られていますし、本当にそうだなと思います。

第一印象は、見た目(*^.^*)の好み。美しいと感じるポイントが自分的ツボかどうか。
ヴァイオリンは元来美しいフォルムを持っていますが、微妙なサイズの違いや、木目の出方、色ツヤ、ひとつひとつ比べると、ビジュアルの違いは様々です。

一番肝心な音色。明るいのか、華やかなのか、重厚なのか、しっとり艶やかなのか…人間でも、声音や話し方が綺麗な人には惹かれますよね。

そして構えた時の感触。各パーツのバランスによって、ものすごく軽く感じたり、逆に重みがあったり、体感重量は持つ人の体格によっても変わるので、まさにフィーリングの問題です。

これらも含めた総合的な性格。人間でも性格の不一致とか当たり前ですが、どんなにモチベーションの高い楽器でも、それを惹きだす能力がなければ無用の長物ですし、自分のプレイスタイルに合った音が出せるかどうかも重要です。
つまりある程度は分相応でありつつも、相乗効果が発揮できるよう、できるだけ長く関係性を築けるテンションの高い相手が望ましいですよね。

そうはいっても、なんだかんだでお金が物を言い、結婚&離婚を繰り返す事への抵抗感も薄れつつある社会ですから、気に入らなければ即買換、を繰り返せる経済力のある方は別ですが。


そして私自身に結婚&離婚の経験はありませんので、果たしてヴァイオリン選びと比した記事を書くに相応しいのかどうか、まったくもって疑問ですが。

それでもあえて言おう、ヨメ(嫁)であると。d(`□´) 

お待たせいたしました。ブログでは初公開、オレのヨメ↓です♪

オレのヨメですvvv

出生地:フランス
誕生日:推定100年前
好きな人:オレ…なんかじゃないんだからね!(妄想←ヲイ)


いわゆるビビッときた相手、ではありませんでした。ほんとに悩んで悩んで、触りまくって(爆)選び取りました。

希望の音色と予算をあらかじめ伝えて、用意して頂いた順の以下が候補で、値段は予算を基準に前後12、3万の幅。すべて自分で弾き、お店の方にも弾いてもらい、つきあってくれた相棒の意見と自分のフィーリングを考慮しながらじっくり探る2時間余、短いですが内容の深い旅でしたよ。

【1】ドイツ・推定100年前生まれ

かなり落ち着いた音色で、優等生な印象。堅実。私の希望は、お店側にきちんと伝わっているなと思いました。

【2】イタリア・2012年生まれ 新作で製作者のラベルつき

瞬発力があり、パワーも、鳴りも一番でしたが、求めているような音色の深みがなく、まっさきに候補から外れました。

【3】フランス・推定100年前生まれ(最終候補)

しっとりした柔らかい音で【1】とはまた違うタイプでしたが、高弦の鳴りが少し弱い気がしました。

【4】ハンガリー・推定100年前生まれ

これまた深みのある音でしたが、低弦の鳴りがほんとに第一印象ですが、少し求めているのと違うかな?と思いました。

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…と、ここまでが最初に用意していただいたもの。
予算内か、ちょい超ラインで、値段を聞かずに試奏してこの時点で選んだのは【3】【4】
実はそれが4挺の中では一番値段の高いもので、同額でした(笑)耳は正直だな。

ここからは予算オーバーラインに突入するので、値段を聞いてから試奏しました。

【5】イギリス・推定100年以上前生まれ

古い楽器にしては瞬発力があり、鳴らしやすい楽器。でも私個人の感覚の問題か、反応が良すぎると却って退くというか…こちらが語り出した途端、間髪入れず話しかけられて、言葉尻をとられちゃう感じがして、何か違うと思いました。

【6】ドイツ・推定100年前生まれ(最終候補)

「ドイツですが、最初のものより芯があって深い音になってきます」とお店の方が仰ったのが、実際自分で弾いてよくわかりました。そう、芯ですね。芯か。芯だな(爆)
そして自分で弾いて聴こえる音と、他人が弾く音を聴くのと一番違ったのがこちらで、弾いてもらうとヴィオラのような深みのある温かい音に聴こえました。

【7】フランス・推定100年前生まれ(決定)

「こちらも芯がありますよ」との言葉どおり、やはり値段の違いはこの芯の違いか!でもそのアバウトな意味が私でも弾いてハッキリわかるのだから、適正な価格のつけ方だなとも思いました。自分で弾いてよくわかりました。そう、芯ですよ。”芯”という音色のベースやバランス感がしっかりある上に個性が…まろやかだけど、適度に鳴って、深みがある。最初の楽器もそれなりによい音でしたけれど、聴き比べて歴然と違うのが”芯”でした。


しかし予算の都合と、一定基準の音色の中でも、これほど違うのかというくらい、それぞれに個性や、ココはいいけどコレが微妙というごくわずかなフィーリングの違いがあったため、頭がハゲるほど悩む悩む。

【3】【6】【7】が最終候補になり、そこからどれを消去し、どれを選ぶか絞り込んだ末…実はかーなーりー、予算オーバーだったのですけど背伸びして、件の娘を選びました。

自分の気持ちの中で予算面という、音色以外の方向でもブレがあったので、相棒に「予算とか関係なく、率直な感想でどれ?」と聞いたら【7】と答えてくれ、私も値段を考えなかったら、やっぱりそうなるかも?と思って決心。

お店の方も、私が選んだ後で「実は僕も【6】【7】のどちらかだと思ってました。どちらかの音は完全にお好みでしょうけど、ただ、お選びになった【7】裏板の木目がすごく綺麗なんですよね~」とのこと。
ぶっちゃけ私は外観について今回まったく気にしておらず、最終決定の要素にはしなかったのですけど、相棒も裏板が一番綺麗だったしと言い…∑(。・д・。)b初めて気づく(爆)
とっても細かい木目です。


確かに。・・・(゚ω゚;A)

ちなみにこの楽器、本来の楽器メーカーのラベルがないため、ハッキリとした出自はわかりません。ただ、ある程度年代を推定できる要素のひとつが、一応張られているこのラベル↓
ストラド最盛期ですか!

1711年のストラドって、ストラディバリウスがもっとも隆盛を極めていた時期じゃないですか!(笑)ヾ(~O~;)
後できちんと調べたら、弦楽器ストラッドさんの掲示板スレにまったく同じラベルに対する問い合わせがあり「18、19、20世紀前半に作られた独・仏・チェコ等での手工量産品、工場での量産品などでストラディヴァリウスの形を模倣したものには、かなりの確率でこの記載のラベルが貼られています。コピー品はラベルまでコピーし、それに罪悪感は持たない、という習慣があったのです。」だそうです。
なので、そういった楽器を何挺も扱っているお店の方が、材質や特徴などから推定して100年と仰るわけです。
あくまで推定ですから、ひょっとするともっと古いかもしれません。写真では普通に綺麗に見えますけれど、実物には使い込まれた傷がいくつもあり、時代のロマンを感じます。

どんな方が、どんな風に弾きこんで、この音になったのか…。


え?値段?
お嫁さんをお金で計るなんて無粋な話は止めましょうよぅヾ(;´▽`A``(笑)
ご想像にお任せします┐('~`;)┌

まね、その意味(予算大オーバー)でも妙な汗(〃゚д゚;Aを掻きましたし…。
試奏も、お店がリニュアルしてからレイアウトが変わって、以前試奏させてもらったガラス張りの部屋は工房になっており、今回試奏室ではなく完全に開放された試奏スペースでのやりとりだったので、私が居座っていた間、頻繁に出入りした他のお客さんにまる聴こえでしたし(爆)

でもこっちは真剣、多分もう買い換える事はないつもりで、それぞれの楽器を弾きこんでゆきましたから、下手で恥ずかしかろうが周囲は構わず、ドッペルやタイスを弾いてきましたとも!

ちょっと舞台根性ついたかも!?


とはいえ、これがゴールじゃないです。まだが買えていませんから。
むしろ今後、より高度な技術を習得してゆくと、こちらの問題の方がよりウェイトを占めてくる可能性は大です。人によっては楽器の倍額以上の弓を選ぶ方も少なくありませんし…

というわけで早速、弓貯金が始まります。リフォーム・修繕問題も浮上していますので、今回より厳しい道のりになりそうですが、ヨメとともにがんばります!