ヴァイオリン覚書♪アリーナ・イブラギモヴァ&セドリック・ティベルギアン ベートーヴェンVnソナタ全曲演奏会〜1日め2013年09月13日

今日は今年一番の楽しみ、アリーナ・イブラギモヴァ&セドリック・ティベルギアン ベートーベン ヴァイオリンソナタ全曲演奏会初日です!

昨晩、夏場の寝室にしてたゲストルームのエアコンが壊れて、夜中の2時すぎに発狂しながら、色々トラブルシューティングを試すも改善されず、結局今朝一番に修理依頼して…せっかくはりきってとった有給もそんなこんなでドタバタ劇場⁽⁽(ཀ д ཀ)⁾⁾้

修理は翌日に持ち越しとなってしまったため、少し早めに家を出て、いつもの弦楽器やさんでヴァイオリンの弓のメンテをお願いし、コンサート会場へは一時間前に到着。
お腹は空いてませんでしたが、ミイルで気になってたパンケーキでも食べて待とうかなと、会場内のタリーズへ入ろうとしたら…

あれ?あれってセドリックさん?セドリックさんだよね???

タリーズでお茶してるセドリックさん?らしき外国人男性をお見かけしたのですが…眼鏡かけてなかったし(私は近視で眼鏡派)、開演前のくつろぎタイムを騒がせちゃいけないと思ってスルーしました。

なんか‥ドキドキしてきた…(。・ˇ_ˇ・。)
アイスジンジャーラテチーズハニーパンケーキの乗ったトレイを空いてる席…件の男性の背中を中央カウンター席挟む形で、離れたとこへ運んで、とりあえず落ち着け自分(笑)

なんか胸いっぱいで、割と美味しいと評判のパンケーキも喉を通りづらく…よそ見してボロボロこぼすし、アホ丸出し。

別に買うものがあるわけでなし(CDはコンプリートしてるもん)開場時間にあわせて行かなくても良かったのですけど、食べるもの食べて飲むもの飲んだら、会場へ移動しました。

そしたらCD販売コーナーの脇に「CDお買い上げの方はサイン会に参加いただけます」的な事が書いてあったので、やた!と小躍り。
一応、今回のソナタの全CDは持参したので、実は会場購入者だけで購入時整理券など渡してないか、渡してたらセドリックさんのCD買う!と思って、販売ブースの隣のソファでしばらく偵察してたところ、そんなそぶりもなかったので安心して、自分の席へ着席しました。

それにしても男性客、しかも中年から高齢層が多い!
私と同年代の女性客、数える程しかいません…。

ただ、周りから聞こえてくる会話が、いかにもファンらしきコアな内容だったり、クラシック全般に精通してる方ぽかったりして、とりあえず会員だから来たとか、ベートーベンだから来たとかいう方は少なそう。
今晩は有名なスプリングソナタもクロイツェルもないプログラムだし、同じ匂いのお客さんが多くてなんか嬉しい。王子ホールみたく完売にはなってないものの、平日の夜公演でも空席は目立たないし。

席に着いてそんな事を考えていたら、緊張のドキドキが、高揚したワクワクに変わってきました。

そうして舞台に登場したアリーナは真っ赤なサテンのロングスカートに、黒のジャージー素材のようなノースリーブのシャーリングトップス。
セドリックさんはグレイのスーツに白のカッターというシンプルないでたち。

・第1番

CDより間合いの取り方とか、テンポの緩急、タメがよりはっきりついた第一楽章、初めて生で聴くセドリックさんのピアノが、本当に綺麗…ほぅ…。
生アリーナの方は多少免疫ついたけれど、いきなり弓毛が切れるほど、情熱的なパッセージもあって、すぐに曲の野心的な世界にひき込まれました。

第二楽章は冒頭ピアノ前奏から入るし、ヴァイオリンパートと主旋律が交互になったり、閑話休題的な間奏も多いので、セドリックさんのピアノの生の醍醐味を早くも味わえました。

第三楽章も楽しい(✧◡✧) ​ )੭ु⁾⁾
三楽章はCDよりピッチの速いフレーズ多かったけれど、息ぴったりだ。妬けるくらい(笑)
アリーナの高音の美しい響きが、円やかなセドリックさんのピアノと対比になって、はぁ〜音が胸いっぱいのバリエーションと色彩で溢れてくる〜と思ってるうち、あっという間に終わってしまいました。

・第4番

一歩一歩、鋭く、時に寄せて返す波のように大きく繰り返されるフレーズの山が印象的な第一楽章は、ライブで聴くと、ほんとにアリーナが踏み込んで弾いてて、セドリックさんがそこを間髪いれずに切り返したり、受け止めたりしてるのが視覚的にわかるから、よりエキサイティング。

そして二楽章、和む〜:;(∩´﹏`∩);:
私、自分がピアノ弾きだった頃は二楽章苦手だったので、こうもあっさりひかれると羨ましくてしょうがないのですが、ピアノもヴァイオリンもごまかしの効かないフレーズが多いのに、ほんとに素敵に弾いてくださるなぁ、もう。

三楽章は旋律自体の表情がバラエティに富んでて、聴く方も必然的に、ひとつひとつの主題の変化を見守る感じになりますが、二人の演奏は呼吸を私たちとも共有してくれるなぁ〜と生で聴いて感じました。
一緒に疾走したり、ひと息ついたり。

呼吸を静かにおさめる形で、前半が終わって、沈黙の後でさっそくブラボーコール。拍手もひときわ大きくなりました。どーしよ、前半だけでお腹いっぱいだ。


休憩を挟んで私自身もお手洗いで禊?してクールダウン(笑)関係ないけど、大抵こういうコンサートでは女性客のが多くて、お手洗いも混むのに、今日は女性用の方がガラガラだ(笑)


・第8番

私がライブ感に慣れてきたのか、弾き方に関してはCDとの違いをあまり感じなくなってきました。
元々湿度の高い日本、この日はさらに高くて、弦楽器奏者泣かせだったと思います…アリーナ、いつになく調弦を都度行っていました。
弓毛も良く切れ(笑)少し上滑りする箇所が、いつもより目立った気はします。
それでも全体の音楽的にはノープロブレム。

時折、楽章の合間などに見せる笑顔に、私もつられてしまうくらい、今日の演奏という作品に、聴衆として私も参加している気分になりました。


・第7番

今晩のプログラムの中で、私が一番好きな曲です。
オーケストラの協奏曲のように壮大で、激しく切迫詰まったフレーズと、大らかで軽やかなフレーズがせわしなく飛び交いますが、ライヴで聴くと、その振幅がより生々しく、というか当たり前なんだけどリアルにストレートに伝わってきますね。

あと、改めてセドリックさんのピアノのペダリングの精緻さに驚きました。
私の席から足元が良く見えたので、がっつりチェックしてたのですが、左右ペダルをかなり細かく踏み分けて、音を作ってらっしゃる。素人は半ば演奏技術のごまかしでペダルを多用したりしますが、当然ながら、シーンにあわせて細分化して使い分けていらっしゃいます。左右の手であれだけ、フルオケ並みに音の詰まった旋律を奏でながら、左右の足でも仕事人。惚れます…いやすでに惚れてるけど。

第二楽章は今日のプログラムの中で、一番アリーナの謳わせ方が楽しめたかな。しっとりだったり、軽やかだったり、切なかったり、高弱音がえもいわれぬ美しさだったり、それを落ち着いて愉しめるフレーズだし、アリーナって何気にピッツもいいんですよね〜ポロン、コロン、とピアノの転がり方とは違う音色で語りかける感じ、ライブで聴くとものすごく素敵です…うっとり。

三楽章はより軽やかなフレーズになり、四楽章のグランドフィナーレまで私も呼吸を整えながら…テンションを少しずつ高めて行きました。
あ、そういえば、重音の弾き方で先日先生に言われた、弾く前に手を丸くというの、今日アリーナ見てたらお手本のように丸かったです。
曲は集中して聴けたけれど、盗むとこは盗んで帰りたい…少しでもあやかりたい私なのでした。

大興奮の終盤を迎えて、いっきに終了。
拍手はさらに大きく鳴り止まず、今夜はサイン会もあるからアンコールはなしかなと諦めていたところ、シューベルトのソナチネ1番2楽章を弾いてくれました!

何か、ベートーベンの後のシューベルト、耳も舌もちょっと濃いもので重たくなってるから、すごく癒される…。

こうして本日のパフォーマンスが全て終了し、しばしの待ち時間を挟んで、サイン会へ。
アリーナもセドリックさんもラフなTシャツにお着替えなさって、和やかムードでスタートしました。
サインしてもらうのはCDじゃなくてもオッケーとの事でしたので、ばよケースにして頂いてる羨ましい方もいらっしゃっいましたが、私は今日のプログラムのCDのブックレットにして頂きました。
インクが乾ききらないうちにうっかり触っちゃったので途切れちゃった(泣)

写真撮影はサイン会終了後オッケーでしたので、一緒に撮って頂きました!
ぎゃ〜せっかく両手に花なのに、コーフンしすぎて顔ひきつっちゃった私!

今日の感想をゆっくり言葉で告げる余裕はありませんでしたが、まだ初日だし、残り二日しっかり聴きたいと思います。

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