ヴァイオリン覚書♪~アリーナ・イブラギモヴァのブラームス Vn協奏曲2017年10月21日

私のアリーナ・ウィーク2週目はオケとの競演♪
今秋のアリーナの日本公演はかなりの過密スケジュールだったみたいで、私が取りこぼしていた公演情報も含めて時系列で整理すると、こんなに!



  2017年 10月8日(日)
  in 三鷹市芸術文化センター 風のホール (東京)


 2017年 10月9日(月・祝)
  in 静岡音楽館AOI (静岡)

 <オール・シューベルトプログラム>

  2017年 10月12日(木)
  in 電気文化会館・ザ・コンサートホール(名古屋)


  2017年 10月14日(土)
  in 芸術文化センター 神戸女学院ホール(兵庫)


  2017年 10月15日(日)
  in 青山音楽記念館(バロックザール) (京都)

 <オール・シューベルトプログラム>

  2017年 10月17日(火)
  in 王子ホール(東京)

そして残り2公演3日がオケとの共演です。

SNSでの評判を伺うに初登場の会場でも好評を博しているようで、これだけの公演数を重ねても素晴らしいパフォーマンスを披露してくれるアリーナの演奏に、今日も期待は膨らみました。

で、遠征は大抵車内朝ごぱんが常だったのだけど、お薬もいっぱいある( ノД`)シクシク…し、ランチしたいレストランもあって、前回の兵庫の時みたいにお腹いっぱいで食べられないといけないから(笑)、おうちで簡単に食べました。

・ブラン食パン(ザクセン)でハニーチーズトースト
・おさかなソーセージ(らでぃっしゅぼーや)
 with ほうじ茶ラテ

遠征費節約&のんびり電車旅~と思って、久々に近鉄特急のアーバンライナーにて移動。
新幹線より移動時間は長くなりますが、座席は快適だし、ウトウト寝て仕事の疲れもちょっと癒えたかも。

難波駅、京都や大阪に歴友が多かった15年くらい前には、しょっちゅうアーバンライナーで出向いて集合する駅になっていて、割と土地勘もあったのだけど、今回は久しぶり過ぎてウラシマ状態。
そんな変わっていないとも思うのだけど、違いがあってもわからないほど記憶が古いという(;´Д`A ```

難波でぶらぶらするのは帰りにして…まずはホールの最寄り駅に近い梅田まで地下鉄御堂筋線で移動し、グランフロント大阪へ。
ミイル友さんにおススメ頂いたレストランにてランチ。

あ、グルメ日記は別記事にてご紹介いたしますので、ここではサクッと割愛しまして~~ホールが駅直結とか駅近ではなかったため、お天気も台風が近づいてて生憎の雨模様だしで、迷う事を想定し(;´・ω・)余裕をもって移動したらば、案外すんなり迷わず到着してしまいましたよ。Googleマップさんグッジョブ(`・ω・´)b


 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77 他
                                
  2017年 10月20日(金) 19:00開演 (18:00開場)
      10月21日(土) 14:00開演 (13:00開場)
  in ザ・シンフォニーホール(大阪)

初めてのザ・シンフォニーホールは、あら素敵なホール。
内装も、木製部分の重厚感が落ち着きあり、カフェスペースも広くて座席のタイプも様々あり、おひとりさまでもグループでも開演前&幕間にまったりできそう。

名古屋のホールも最近、続々と改装が始まっていますが、遠征していつも思うのは、こういう演奏会を色んな方向で楽しめる空間が充実したホールは名古屋には…はっきり言ってないです。

飲食サービスも簡易かホーム内のキヲスクレベル、休憩スペースもソファやベンチ系の椅子や立食テーブルが少しある程度のところがほとんど。

海外ではお酒や軽食&デザートも充実してるし、幕間でリフレッシュして次の幕がスッキリ楽しめる部分もあるので、こういうホールが増えてくれるといいなぁと願いたいものです。

おっとと、話が脱線してしまった。

初めてのホールは、座席表だけじゃ良席がどこかよくわかりませんでしたので、テキトーに取った座席を確認。

ホール内ショップでも記念限定グッズが売られていましたが、35周年だそうで、開演前は左右にこんな↓ノボリのライトアップがされていました。
パイプオルガンも素敵だわ。

今回、最前列はB席だったから、A席で一番前(前から4列目)を取ったけれど、私の席からもソリストばっちり見えますわ♪

名古屋のアリーナ・ファン友さんたちとも会場でお逢いして、和やかにお話ししながら期待を高め…


まずは最初のブラームス『大学祝典序曲』作品80を鑑賞。
この曲、色んなオケでちょいちょい聴いてるし、大好きなアバドさん指揮のも聴いてるんだけど、ブラームスの曲の中ではそれほど好きな曲じゃないので、私の消化能力のせいもあって、あっさり終わっちゃったかな(-_-;)

やっぱブラ1とか「悲劇的序曲」と比べたらインパクトが。
どこがどうといえるほどクラシック通ではない私ですから、感想はその程度に留めておきます。

あ、ホールの響きは柔らかくて良かったです。

そうして待ってました!の

ブラームス ヴァイオリン協奏曲 二長調 作品77

アリーナは藤色の、そして多分デザインが好きなのだろうドレープがちょっと古代ローマ風なドレスで登場。

最近よく丸くなったと言われちゃってますが…(;´・ω・)一時期よりはちょっと痩せたかも???
まぁ、名古屋でオケと初共演した時期は、大丈夫か!?というほど華奢でやせ細っていたので……でもファン&同じ中年女性としては、「妖精」という某CD帯の謳い文句もあって世の男性ファンからすると実物とのギャップがあるのかもしれないけれど、あんまり容姿にツッコミを入れるのは遠慮して頂きたいかなと…(´;ω;`)ウゥゥ

体型云々よりそんな心配もないほど演奏が素晴らしいのは、ファンの皆さんご存知の通りですし。

さてこの曲、ブラームスらしく、他のヴァイオリンコンチェルトと比較しても大変に骨太で聴きごたえがあって、演奏者にもパワーが要求される曲想ですし、これまでアリーナが数々のオケと共演してきた中でも私が耳に触れる事のなかった類の曲だったので、どう聴かせてくれるのか、本当にワクワク、どきどきしていました。

私が過去に聴いたブラコン演奏の中で好きだなぁと思ったヴァイオリニストは、ジュリアン・ラクリンジャニーヌ・ヤンセン
ラクリンさんは繊細だけど懐の深さも表裏一体となっていて、ヤンセンさんは最近どんどんマットでヴィオラに近い音色になってきた中の演奏を聞いたらとっても素敵だったので。


さぁ、彼らとは元々持ってる音色の違うアリーナは、どう来るか。

冒頭の長いオケのイントロ、私的にはちょっと思ったよりブラームス的なパワーが足りなくて、アレ?とか思っちゃったのですが。

ソロ・ヴァイオリンの冒頭の重音。

来た来たキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!という感じ!!
曲に没入してゆくアリーナのスタイル、いきなり冒頭から弓毛がぶちぶち切れてそれだけで凄まじい様相なんだけれど、弦へ吸いつくようなボウイングから生み出される音は極めて正確でマット。
天候のせいもあって、かなり鳴らしにくい日ではあったと思うのですが、G線はそれでも深く鳴っていたし、何より、低音から超高音域へ駆け上がっていった先の高音ロングトーンのヴィブラートが……きゅーーん。

太さと激しさから、繊細で柔らか、暖かな音への超転換が瞬時にして繰り出され、ギャップ萌えでヘロヘロですよ私(笑)

主題が変わって高音域の優しく謳いあげるフレーズでは、もう、蕩けるような柔らかさと美しい高音ヴィブラート、囁くような弱音の嵐!

テンポは一般的、アリーナもあまりテンポの緩急はつけすぎずに弾き進んでゆくのですが…私的にはオケに対して、アリーナがかなり語りかけるような演奏をしていたので、もうちょっとはっちゃけて応えてくれても良かったかなという気はします。
よく言えばソリストを立てて堅実なんだけど…名フィルの方が、その辺はかなりコンタクトとって弾いてるような気がして、というのは地元愛の偏見かもしれないけれど(;''∀'')

それにしても予想をはるかに超えて、これまでに聴いたことのないブラコン。

いつもどおりのアリーナの音には違いないのだけれど、先週シューベルトでまったりプログラムを聴いたばかりだったせいもあるし、アリーナのオケ共演も生で鑑賞したのは現代寄りか古典寄りの協奏曲ばかりだったから、ロマン派の協奏曲だというせいもあるのか……

いつも以上に多彩で、ロマンティックな引き出しの多さにびっくり!
ブラームス、協奏曲や交響曲では古典派的な地盤がしっかりしてる上に、ロマン派の歌心があって私は大好きな作曲家なのですけど、アリーナの演奏を聴くとそこがはっきりわかるというか。

低音部ではヴィブラートを抑制していて、弦のストレートな響きを太く、あるいは細く体感できるし、高音部では高音がここまでクリアに、そして柔らかく鳴らせるの!?というほどヴァイオリンの無限の可能性を感じさせてくれる音を聴かせてくれて。トリルは心の琴線をパタパタ煽ってこそばゆいほど愛おしく。

ブラームスだから低音のヴィオラみたいなアリーナの音が楽しめるかなって思っていたら、今回は高音部へ上がるたびにきゅん死にしそうだった…(;''∀'')

一楽章終盤のソロヴァイオリンパートなんて…涙がちょちょぎれるほど美しかったよ……

やばい一楽章だけでこんなに想いが溢れてしまった…。。。。


歌心溢れる抒情的な二楽章では、アリーナがとっても楽しそうに曲へ没頭してゆくのを、聴き手も微笑ましく受け取り…やっぱり超高音域のヴィブラートの素晴らしさに、演奏者の端くれとして目を奪われておりますた。
第1関節のヴィブラートが物凄い振幅なんですよね。2関節は動いてないから、音もブレなくてあれだけクリアでよく鳴るのか。もちろん右(弓圧)のコントロールに依るところも大きいのだろうけど。

ベートーベンのソナタなどでは感じなかった部分の技術的な素晴らしさへ、改めて感じ入った次第です。

休符の間もオケの音に身体を反応させ、曲を全身で感じながら全霊でぶつかってゆくアリーナの姿が印象的。

音楽の歓びに満ちた三楽章は、軽快なアルペジオが終章へ向かって駆け足で進んでしまうようで、ああ…終わらないで―ーーー(´;ω;`)ウッ…と思いながら聴いてました(;´・ω・)

そして、終わってしまった……(´・ω・`)

鳴り止まない拍手に応えて、アンコールも一曲。
あああ…至福。
あれだけ耐力&体力の必要な曲を弾ききった後でも、一指乱れぬ見事な演奏で、聴き手の私の興奮ぎみの熱を優しくクールダウンしつつ、またしても別の扉をそっと開けてくださる。。。。

そう、私が初めて出会ったアリーナの音はこのバッハでした。
あれから10年以上経つけれど、どんどん進化、深化してゆくアリーナの音の世界に、私は魅了されっぱなしです。

もうお腹いっぱい、胸いっぱい。。。。。。

今年は病気の発覚と、治療が一進一退した時期もあって、演奏会遠征は控えた方がいいのか悩んだけれど、今日来なかったら一生後悔したであろう演奏が聴けました。

もう、このまま眠りについてもいい…(爆)
という気持ちで、うたた寝防止のためにランチでは諦めたアルコールを、休憩中にカフェで頂きました(笑)
しかもAさん、むしろ私がごちそうせねばならない立場ですのに、これご馳走になってしまいまして(;´Д`A ```

更には今回断念したデュオ・コンサートのうち静岡公演のチラシとプログラムまで頂きまして(''◇'')ゞ
あああ!行きたかった!!
次の機会があれば、グルメの無駄遣いは避けて(???)、遠征費を貯めておかねば。

そんなこんなで最後のシベ1にはそれほど期待もしていなかった(申し訳ございませんオケの皆様( TДT)ゴメンヨー)のですが、ブラコンの興奮と、適度なアルコール摂取によってスッキリ目が冴えたみたいで。

良かったですシベ1。オケは今日一番この曲が良かった!
秋山さんの指揮も良かった!

…すみません感想が貧弱で(;´Д`A ```

さぁ、アリーナ・ウィークの〆は


   バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz.112 

  2017年10月24日(火)19:00開演(18:20開場)
  in サントリーホール(東京)

これはアリーナ真骨頂!だろうし、無伴奏ソナタは初めて出会ったアリーナの曲だし演奏会でも聴いてるので、あの音が聴ける!と思って想像しながら、いい意味で裏切られるのが楽しみです♪

コメント

_ ゆき ― 2017年10月24日 01時35分23秒

お久しぶりです!
海外との行き来が忙しくレッスンにも行けずずっと沈んでおりました。

今年もアリーナのコンサート行きまくってるんですね。
三鷹でもコンサートあったんだ!
近いし行きたかったな~。

>「妖精」という某CD帯の謳い文句もあって世の男性ファンからすると実物と・・・
以前はすごく華奢で色白だったから「妖精」ってプロモーションしたのでしょうね。
先日サラ・チャンのコンサート行ったんですが、それを言うとパンフの写真と実物ではもう詐・・・いや、何でもないです。笑

明日の東京サントリーホールも遠征されるんですか!?

_ ありこ ― 2017年10月25日 14時02分59秒

>ゆきさん

ご無沙汰です!国際的にご活躍なさっていらっしゃるから、大変ですね~。日本も変な天候ですから、お体には十分お気をつけて。

今年のアリーナ、産休前のスケジュール前倒し調整か!?というほどハードでしょ(笑)
こうしてみると、パンフって必ずしも毎回撮りなおすわけじゃないんだなぁ、と知りますね。

>>明日の東京サントリーホール

今朝夜行バスで遠征から帰ってきました!
またブログでupしますが、他のお客さんが

「今日は結構席埋まってるなぁ」
「都響安いからじゃない?」

なんていってらっしゃるのが聴こえましたが、アリーナのバルトークだけで帰ったお客さんがちらほらいたところをみると、アリーナの初東京オケ出演の効果だったのでは?とも思います。

そうね、だから席選び完全に失敗しましたよ私…( ノД`)シクシク…

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