チェロ覚書♪♪1年3ヶ月~初めてのメンテナンス ― 2010年06月12日
チェロの駒の反りやら弦高やらの不安材料を解消すべく
いつもの楽器やさんとは違う弦楽器工房へ行きました。
★弦楽器工房 パヴァーヌ
チェロの教室でお知り合いになったコンマスSさんが
紹介してくださった職人さんの営まれている工房です。
コンマスSさんからのお話を窺ったところ
安い楽器でもちゃんと相談に乗ってくれそうだな~と感じたので
すこし前にメールで、駒の画像↓コチラを添付して相談してみました。

自分ではかなりヤバイと感じていた上、
いつもの楽器屋さんに同じ画像を見せた時には、
駒交換必至、ネックが下がっていたら直す必要ありと言われ
すぐに直さなければいけないのかとか
修理費にどのくらいかかるのかとか、もうドキドキだったのですが
こちらの職人さんは「慌てなくても大丈夫」的に、
とても丁寧に回答してくださったので、まず安心できました。
工房の場所が意外にも職場から近く、多少土地鑑もあり、
車で行けそうだったので、あれから2ヶ月くらい経ってしまいましたが
再度連絡を入れ、実際診てもらうことにしたのです。
自宅から車で30分程度、道もわかりやすく迷わず到着。
門を叩いてチェロを持ち込もうとした私に、職人さんがまず仰ったのは
「お車、四駆ですか???」
あれ?そこから入る???
工房の前に乗りつけたマイカーのレガシィB4 B-sports Limited が
何やら違うツボを刺激したようです(笑)
なぜか車談義をしながらケースを開いてチェロを取り出すと、今度は
「大きいですねぇ~」
ああ、そういえば相棒がチェロを買う時調べたのですけど
マイチェロ、一般的なチェロより大きめらしいです。
職人さんだと、やっぱり見た目でわかるみたいですね。
早速まな板の鯉ならぬ、机の上に寝そべったマイチェロを診ていただいたところ、
駒以外の部分でもツッコミどころが満載でした(笑)
・駒が高いため、弦高が高い
・駒の弦溝の位置が一部合っていない
・ネックの弦溝部分が高いため、弦高が高くなる
・指板がネックへ向かって反り上がっている=テールピース側の弦高が高くなる
・魂柱の位置が若干ずれている
・ペグの作りが荒く、差し込む部分が先まで均一でないため、ひっかかる
「他にもツッコむところは色々あるんだけどきりがないし、
安い楽器を買われてそう経っていないということですから
この辺りを調整してなんとかしましょう」
はは…ボロクソですね(笑)
でも、安い楽器なりに、ここを直せばそれなりに変わるよ
という言い方をしてくださったので、安心しました。
そんなわけで、駒交換とその他の微調整をしていただくことになり
「えーと、すぐには直せないので、本日中に直しましょう。
明日ご連絡しますから、またお越しいただけますか?」
とのことだったので、お忙しそうだし、もっと時間かかると思っていた私は
喜んでお返事しました。
その後、新しく交換するフランス製の駒を見せていただき
簡単に作業の説明をしてくださるのを、フンフン、なるほど~と
聞き入っていたのですが…
ふとはずした元の駒を手に取った職人さん、楽器に当ててみて
「う~ん、これ、使えるかなぁ?ちょっと削ってみるか」
と駒を持って隣の部屋へ行き、なにやらウィィーンと機械音がしたかと思うと
「もうちょっとか。うん、使えそうだな。
今日やらなきゃいけない仕事は終わってるし…
じゃ、これを調整して他も直しちゃいますから、お待ちいただけますか?」
そりゃ、今日一発で済むなら、願ってもないことです。
というわけで早速作業開始。

作業中も雑談は絶えず
遠方から噂を聞きつけて修理依頼に来られた方のお話やら、
楽器工場を定年退職された職人さんがリタイア後に作成された楽器を
売って欲しいと工房へ持ち込んでこられるお話やら、
さくさくと作業をしながらも話題はつきませんでした。

およそ1時間30分で調整は完了しましたが、雑談だけじゃなく
調整する箇所をどういじると、どう変わるかなどの説明も都度してくださり
実際の作業を目の当たりにできたので、とても楽しかったです。
弦高は一般的に指板から6mmくらいらしいのですが
私の楽器はネック側に上がってしまっているため
更に低めで5mmまでおとしていただきました。
弦を押さえてみたところ、以前とはまるで違う押さえやすさ!
駒も見事にこのとおり!

職人さんご自身がとっても嬉しそうに
「ほら、生まれ変わったでしょう!」
と言ってくださったのが、駒が直ったことと合せて嬉しかったです。
以前は弦をすべて完全に緩めないと動かせなかった駒が
今はヴァイオリンのように、弦を張ったままでも動かせることが驚き!
「ほら、この位置を覚えておいて、ずれたらこういう風に直してくださいね」
と駒修正のレクチャーまでしてくださいました。
あと、弦があまり良くないだろうことはわかっていたけれど
細いらしく押さえづらくなるらしいので、
今度買う時は、もう少し太めの弦に替えた方がいいとアドバイスも。
ペグは削ってある程度調整していただいたのですけど
孔にも問題があり、いじり出すとかなり大掛かりになるため今回はパスし、
今の段階では滑るようになったらチョークなどを塗って応急処置するよう
教えていただきました。
これで調整費はたったの5,250円。
本当にこの工房へ来てよかった~vvv
さて、左手の感触や、駒の見た目はかなり変化しましたが
工房では弓を使って実際弾くとこまで確認しなかったので
自宅へ戻って早速弾いてみました。
うわ…っ、ちょ…何この音の響きの違い!
裏板にびんびんくる音の反響、
固くて調弦が大変だったペグの滑らかな動き、
ほんとに生まれ変わったよ~感動~~~!
自習のテンションもあがりそうです!
コメント
_ ゆき ― 2010年06月23日 01時55分34秒
_ ありこ ― 2010年06月23日 09時45分31秒
また、弾き手のくせで楽器に微妙なズレが生じたりするらしいので、大事な発表会などの前には是非、調整をオススメしますよ♪
_ たかひろ ― 2016年11月09日 21時21分49秒
教えてくださいませんか?
_ ありこ ― 2016年11月09日 22時48分17秒
はじめまして。
私も最初は安いヴァイオリンを使っていたので、大手の工房に持ち込むのが恥ずかしくて諦めていました。
工房のURLは、このコメントバーの記入者名「ありこ」にリンクしました。
★弦楽器工房 パヴァーヌ
代表の梶上さんは某大手メーカーでお勤めの後、現在の工房を開業なさった方で、メールでの問い合わせにも親切に対応してくださいますので、一度ご相談なさってはいかがでしょうか?
個人工房ですから、作業中も見学させて頂けますし、興味深いお話が訊けますよ。
_ ハドソン ― 2017年10月16日 18時10分18秒
_ ありこ ― 2017年10月17日 15時38分21秒
初めまして。
演奏も素人なら、楽器の知識も当然素人ですので、気軽に相談できる工房があるのはありがたいですvvv
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へ~、全然変わるんもんなんですね♪
たしかに弦の高さは調整すると押さえやすさが断然よくなりそうです。
まだバイオリン一度も調整出してないので、持って行こうかな~。