ヴァイオリン覚書♪アリーナ・イブラギモヴァ&セドリック・ティベルギアン ベートーヴェンVnソナタ全曲演奏会〜2日め2013年09月14日

昨晩は寝室エアコン故障につき、急遽リビングに座布団2枚敷いて、クッション枕に寝ました…あんま熟睡できず。
てか、やっぱり興奮してて寝つけなかったてのもあり(笑)

寝不足のまま…今朝一番でさっそくエアコン修理に来てもらったのですが、なんと重症!との事でメーカー対応となり、また後日に延期…

やれやれな雰囲気からの気分転換と、昨日の興奮おさらいを兼ね、アリーナの音をイメージしつつ軽くヴァイオリン練習してから、会場へ。

今日はアリーナ・イブラギモヴァ&セドリック・ティベルギアン ベートーベン ヴァイオリンソナタ全曲演奏会2日めです。

昨晩お見かけしたお客様が今日も多かったと思いますが、どちらかというと中電がらみの招待かVIPぽいご夫婦が目立ちました。そのわりに空席が昨日より多かったな。でも、私の周りの席の方々の面々は全く変わらず(笑)みなさん通し券なんですね!一緒に三日間愉しみましょうね!とは心の中だけでつぶやいて。

ただ私、冒頭の通りトラブルなどあって色んな疲れのせいか、実は会場した時点ですでに眠気と闘っていたのですが…絶対寝たくなかったため、常に爪先で手をギリギリ刺して意識を保っておりました(笑)

さて本日のアリーナはサンドベージュのサテンドレス。マーメイドのラインが綺麗で、裾はシフォン?素材で切り替えてありました。
セドリックさんは昨夜と同じくグレイのスーツに白のカッターというシンプルないでたち。
今日は二人衣装合わせしたかのようなマッチング(❛ᴗ❛人)✧


・第5番「春」

第一楽章はCDより柔らかくて、優しい音色。テンポもやや落ち着いた感じに思えました。
はぁ〜なんて軽やかで、ふわふわ。音もなく風に舞う綿毛みたいな素振りだけれど、実は葉陰に隠れて姿を見せない春の妖精が囁いてるみたいな、悪戯心さえ感じさせる微弱な音のしかけ。
CDでは春の嵐みたいな激しさや、青い春を感じましたが、今回は春というより別次元へ迷い込んだかのよう。

生だから余計そう感じるのかもしれませんが、緩急の急の部分も昨日より柔らかい圧で弾いているみたいに聴こえました。速い弓で弾き切っても、空に放たれた瞬間、空気を纏って丸くなるみたいな音。

それに今日はお二人とも、昨日よりうんとリラックスして、楽しんで弾いてる雰囲気が伝わってきます。思えば二人での日本公演は昨日が初。気負いは感じなかったし、観客へ媚びる節なんて二人のこれまでのスタンスではありえないけれど、何かしらの特別な思いは抱いていたのかも?

第二楽章はさらに優しく、懐の深くへすーーっと浸透してくる音。CDよりセドリックさんのピアノはコロコロポロポロ、はっきり刻んでる感じ。あんまり心地よくて、寝落ちしそうになりましたが、踏ん張りました!(笑)

三楽章の軽妙な掛け合いも、CDよりピッチが速く感じられるくらい爽やかで快い響き。
鋭く冷たくなりがちな高音域の速いパッセージも、今日は昨日と違って音の裏返りはなく、なんと完璧に、それでいて温かく響くんでしょう。
そういえば、難所の多い一楽章でも、今日は弓毛切れなかったな〜やっぱり少し圧を変えてる?

四楽章も同じ流れでやんわりと…はぁ…音が気持ちいい…とまた、気を失いかけましたが(笑)踏ん張りました!

・第2番

一楽章、技術的には難易度の高いパッセージもあるし、そこが聞かせどころなのかもしれませんが、私個人的には今回のソナタの中で一番掴みどころのない曲かも。
おかげで意識を保つのが(笑)大変でした…

二楽章は好き。アリーナの切ないほど美しい高温と、抑えぎみのヴィブラートから徐々に振幅を加えてふわっと解放されるロングトーンの作る一瞬の間さえ愛おしく感じられます。
ライブで目の当たりにしていると、ヴィブラートの使い方といい、弓圧といい、細かな技術を複合してこの音になるんだな〜と感動します…。

三楽章の軽やかな旋律、今日は冒頭からずっと柔軟性を感じてきましたが、この軽快な曲も二人の音による語らいが聴こえてくるようでした。かしましいお喋りじゃなくて、穏やかな語らい。それを少し離れたテーブルで耳にして、静かに内容に耳を傾けている私。昨日セドリックさんらしき人の背中を離れた席で眺めていた私を思い出して、デジャビュを感じたり(笑)
まだ若い二人だけど、とても充実した音楽的コミニュケーションを取れているんだな〜と羨ましく思いました。

ここで休憩。
昨日もタリーズの売店が出ていて、ワインとジュースとコーヒーを販売してました。今日はもう、とにかくこのいかんともしがたい眠気をなんとかしたくて、アイスコーヒーを飲み、お手洗いで目を洗ってきました!(笑)

・第10番

休憩中に頭がすっきりしました!コーヒー効いたかも(笑)

軽やかで艶やかなステップを踏むように、けれど可愛らしくもある、多面的なパッセージと、ふくよかで温かなトーンがそれぞれ楽しめる構成。
ベートーヴェンという偉大な音楽家が築き上げたソナタ自体の円熟味と、アリーナとセドリックさんという二人の音楽家が積み重ねてきた確かな絆が、シンクロしたり、コントラストになったり、一楽章の中で長い旅の縮図を見た思いでした。

二楽章はさらに精神的な深い淵へ潜ってゆくような、厳かで静かなヴァイオリンのロングトーンと、優しく寄り添うピアノの分散和音が、私の中に宿る小さく脈打つ鼓動と息遣いを巻き込んで、俯瞰的でありながら実態観をもって切々と、リアルな感覚に訴えかけてきました。

三楽章もCDより全体の音が柔らかい印象。アリーナの真骨頂、高音域の美しい響きが、私の胸の高鳴りに追い打ちをかけます(笑)ていうか、なんか今日のアリーナの高音は、きゅーん…と甘酸っぱいです…。要所要所で不意打ちに、きゅーんスポットがあり、そのたびに溜息がこぼれました。

四楽章、ヴァイオリンとピアノが重なり合って力強く奏でるパートと、互いに息をひそめるようなパート、二人はアイコンタクトしながら丁寧に呼吸を合わせていました。

終盤は子供の音遊びみたいに楽しい!二人の音の積み木遊び?ウキウキして私も混ざりたい気分。

はぁ〜!楽しかった!良かった〜というより、今日はまず楽しかったです。

アンコールはシューベルトのソナチネ第一番三楽章。
これまた軽快な曲で、最後の最後まで楽しみっぱなし。

今日もサイン会ありましたので、今日のプログラムのCDを持って並びました。今日はちゃんとインク乾くまで、ふぅふぅやって、ケースへ収めましたよ(笑)


二日も連続で撮影いいかな…とドキドキしつつ、やっぱり一緒に撮ってもらっちゃいました(笑)
今日のアリーナはミニスカ!ミニスカ萌え!可愛い〜!
今日はニヤける顔を抑えるのに必死で、またしても引きつってしまいました⁽⁽(ཀ д ཀ)⁾⁾้

あと一日。
明日はヴァイオリンのレッスンもあって長丁場ですが、クロイツェル楽しみです!