ヴァイオリン覚書♪好きなヴァイオリニストと使用楽器2011年11月05日

そんなにたくさんのヴァイオリニストを知っているわけではないのですが、聴いた限りで特に好きな演奏家を備忘録として書き留めておこうと思い…ついでに気になったのでググッてわかる範囲で使用楽器も【】へメモしてみました。

★アリーナ・イブラギモヴァ
【1738年製(ピエトロ・グァルネリ)】

 ヴィブラート抑え気味で弾く事が多いためか、ややひんやりして透き通った音が印象的。でも硬質ではなく、むしろしなやかに、すーっと、自然に耳の中へ入り込んでくるような浸透力があります。とにかくボーイングが美しく、佇まいを見ているだけで見とれますね…うっとり。
 若手ながら、古典から現代曲まで、レパートリーが幅広いところにも今後の期待が高まる、個人的に一番注目のヴァイオリニストvvv

★ジュリアン・ラクリン
【1741年製「エクス・カロダス」(グァルネリ・デル・ジェス)】
 
 男性らしく情熱的で太い、伸びやかで豊かな温かい音色が特徴ですが、限りなく繊細で切ない情感も丁寧に魅せてくれ、協奏曲などで見せるその表現の、起伏、振り幅からは、どこまでも深く広がる彼の音の世界の底知れなさを感じます。ブラームスの協奏曲やソナタは超オススメ!

★ヴァディム・レーピン
【1736年製「フォン・スツェルダヘリー」(グァルネリ・デル・ジェス)】

 男性プレイヤーの中では、総合的に見ると繊細な音に分類されると思います。若い頃はオイストラフの使用していたストラディヴァリウスを貸与されていたようなので、そのせいかグァルネリを使ってもそれっぽくない音。彼のヴィブラートはほぼ手首か指だけの小刻みなので、実は見てるとあまり私好みではないのですけど、聴くだけならそれを感じさせない…ということは、きっとボーイング技術が素晴らしいということなのでしょう。切れと伸びのコントラストが見事で、細くても切れない絹糸のような艶と緊張感があります。
シベリウスの協奏曲は刺すような風と凍える空気感が伝わってきて、好きですね~。

★ジュリアーノ・カルミニョーラ
【1733年製(ピエトロ・グァルネリ)】
 
 バロック・ヴァイオリンだけでなく、モダンも弾きこなす多彩な感性ゆえか、甘い美音にいぶし銀の渋さがあり、洒脱な音に匂いたつような色気を感じます。基本的に、ピリオド奏法で抜群のセンスがある人は、きっと開放弦で酔わせられるくらい弓のテクニシャンなのでしょうね。

ギル・シャハム
【1699年製「ポリニャック伯爵夫人」(ストラディヴァリウス)】

 一般的に華やかで明るい音が特徴といわれるストラディヴァリウスを使用しても、高音の響きがマットなところが好きです。これも多分弓の使い方なのでしょうね。曲想の技巧的な部分が若干際立つ面も見受けられますが、厭味には感じません。ステップを踏むような軽やかな旋律などは、真骨頂といった感じ。芯はしっかりした音なのですけれど、重たくなく軽すぎず、バランスのよい音質です。
 
★ダヴィッド・オイストラフ
【1705年製「マルシック」(ストラディヴァリウス)】

 取り上げたヴァイオリニストの中では唯一故人で、ちょっと別格です。レビューで「アリーナ・イブラギモヴァを歌うヴァイオリンとするなら、オイストラフは哭くヴァイオリン」と書いた事がありますが、ホントにもう、哭くとしか表現しがたい鬼気迫る太くて力強い音。古い映像や音源が多いので余計そう感じるのかもしれませんけれど、弾く時に身じろぎしても、体の軸が全くブレないんですよね。高音域ですら、深くてクリアな強い音が鳴り響いて、心技体、体と楽器が一体になって繰り出される魂の叫びという感じ。ショスタコーヴィチの協奏曲は私の中でナンバーワンです。


以上、ざっくりと挙げてみましたが、プレイヤーの音の性格は様々でも、楽器の好みは歴然ですね。もちろん、グァルネリと意識して好きになったわけではなく、好きなプレイヤーの使用楽器がたまたま、ほぼグァルネリだったのです。

偏見かもしれませんが、ストラディヴァリウスを使用しているヴァイオリニストには、パワープレイヤーが多い気がします。プレイスタイルも激しい系で。
ま、ラクリンはどちらかというとパワープレイヤーですけれども、音は決してガリガリしてないので。

改めて挙げてみると、女性ヴァイオリニストが1人しかいませんね(苦笑)
何名か、この曲は良かった…という部分的に好きな女性ヴァイオリニストはいるのですけど、総合的に判断するとなかなか上位には食い込んできません。
チャイコンなどのファイナリストだって、日本人ではほとんど女性なのに、どうも彼女たちの演奏は個性が強すぎたり、技巧的な部分が目立ったりして、曲想がわかりづらいような気がしてしまって…。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの管理人名を入力下さい♪
但し管理人が不適切と判断したコメントは予告なく削除いたします。

コメント:

トラックバック