チェロ覚書♪♪~ミクローシュ・ペレーニ『チェロのための無伴奏作品集』2012年04月07日

未だにそれほど多くのチェリストを知りませんが、私の知る数少ないチェリストの中で一番好きなミクローシュ・ペレーニさんのCDが発売されていたのを、偶然にも発売後一週間くらい経ってから気づきました。

昨年末からしばらく、アリーナ(・イブラギモヴァ)に気を取られすぎてましたね(笑)
ペレーニさん、ご経歴のわりにCDが少なく、グローバルなレーベルからの発売も少ないので、ハマッた時に何枚か購入し、その後ずっと新譜がなかったところで去年、ウィグモアホールから発売されたのでゲットし…それ以来1年ぶりくらい。
てか、収録曲がツボvvv

これまでのCDでは、ピアノ伴奏とのバランスが悪かったり、録音自体が良くなかったりと、微妙な不満点があったのですけど、今回は無伴奏作品集ですし、近年の録音環境での音源ですから、聴く前から期待が膨らんでいました。

選曲も渋いな~vvv
私が購入したのはビンボーなので輸入盤ですが(苦笑)、日本語のわかりやすいユニバーサルクラシックのサイトをリンクしておきますね。

ミクロシュ・ペレーニ/チェロのための無伴奏作品集


・ブリテン:無伴奏チェロ組曲 第3番 作品87

ウィグモアではブリテンのチェロソナタが収録されていましたが、私にはあまり馴染みのなかった、どちらかというと得意な部類ではなかったブリテンという作曲家の作品の良さを教えてくれたのが、ペレーニさんのチェロソナタでした。
そして今回も更に、チェロという楽器の持つ音色の深さと、このチェロ組曲の旋律が表現する音の世界を、存分に堪能させて頂きました。
とにかく大らかで力強く温かく、耳から頭の中、胸の裡に至るまで、チェロの音だけがそこにある時間を過ごせる、なんとも贅沢な時間が味わえます。

・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調 BWV1012

バッハの無伴奏は演奏者でずいぶん雰囲気が変わるので、好みもはっきりわかれるのですが…好みとかもうどうでもよくなるくらい(爆)、音の創り出す無限の空間に浸っていたい…。
いつか絶対に、小ホールで、生のペレーニさんの音を聴きたいです。

・リゲティ:ソナタ

ヴァイオリン曲は数名の演奏者の音源や映像で何度か聴いた事がありましたが、チェロソナタは初めて聴きました。
リゲティというと、いかにも現代曲な、変則的なフレーズや、技巧的なパッセージが多いイメージなのですけど今回は、このソナタがそうなのか、ペレーニさんの自然な演奏ゆえか、まったく難解に感じませんでした。

以上、最初から最後まで、すべての雑音がおのずと遮断され、チェロの音の醸し出す異次元へ、知らず知らず惹きこまれていました。何度も聴いて、浸っています…。
ペレーニさん、昨春の東京公演は断念してしまったけれど、次の来日公演は行きたいな…。